大福帳
 

大福帳
--年 --月 --日 (--) --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2006年 06月 09日 (金) 22:13
19歳・初登場のナダル(スペイン)が優勝した、去年の全仏 男子シングルスファイナルのメモ

SWITCHonExciteに、昨年ローラン・ギャロスで観たフレンチオープンテニス2005の話を書くことに決めた。実際に自分が観たシングルスファイナリスト4人の内、ナダルを軸にすることにした。

『metro』より
※クリックすると大きくなります
metro1
タイトル「情け容赦ないナダル」
(ennemi implacableだと、執拗な敵という意味になる)
キャプション「若き異才の新しいえじきはグロージャン」

天才というより、どちらかというと奇とか異とかのニュアンスだ。ナダルの写真も、怪獣風味の1枚をよりすぐった感じがする。右手の「4」のかたちは、下に掲載した『SPORT』の写真でもほぼ同じだ。手のひらだけまねしてみたが、かなり力を入れないと、こうならない。
力の入り方はまったく違うが、タップ・ダンスの時にバランスを取るあの手のように、全身の運動と連動した結果、こうとしかならないというかたちなのだろう。

metro2

mise au pointで、問題の解明とか機械の調整、補足的説明という意味になる。ここではpoings(握りこぶし)とひっかけて、ナダル-フェデラー ガッツポーズ(勝利)への課題とか、そんな感じのニュアンスを出している。

2000年に現地でセミファイナルを観戦した時、やや緩慢な長いラリーが続くとすかさず客がブーを飛ばしていたのを、今でもよく覚えている。昨年のファイナル ナダル×プエルタもラリーは続いていたが、ナダルのボールの速さと軌道と身体は、当時観たクレーコートを得意とするプレイヤーとまったく違っていた。
最初の内、腕が太くて長い選手だなあと思っていたのだが、よく観ると長いというよりフォアハンドストロークの時に肘が伸びているから、そう感じたらしい。

あとはすでに言われていることばかりだが、ギュルギュルとスピンのかかったボールはラインを大きく越えてしまうのではないかと思う高さで飛ぶのに、突然軌道が変わりコートの深い位置に入る。
身体は後ろ全体が、ぶ厚くて新しいゴムみたいだった。特に有名な、ぷりぷりのブドウを半分に割って、背中あわせにくっつけたように丸く盛り上がった尻の筋肉など肉眼ですごさがわかる。

それから打つ時にわりと大きな声を出す。ナダルに限らずヒッティングの時に漏れる声は、現場で聞くと、よく言われているような淫靡な響きは感じなかった。自分のパターンで点が取れない状況が続くと、声のトーンが下がったり、タイミングがずれたり。その変化は聴いていて飽きない。

ボールをヒットする音も、攻めている選手は微妙によく変わる。音に気をつけているとボールのスピード・軌道を目視する前に、選手がリズムをどう変えようとしているのか少しわかってくるのが面白い。ゲームの組み立てがうまくいった時に起こるリズムの変化は、とてつもない即興だった。

ナダルの「ルーティーン」は、多いのでたしかに目立つ。こちらのリズムは、きっかりしていて変わらない。

ファイナル第一セットは、どちらかといえばプエルタ(アルゼンチン)の方が押していた。ドロップショットを打つような構えから繰り出す強烈なフォアや、シングルハンドで打つバックのスピンショット。だがその後、相手の変化するスピンにタイミングが少しあっていないのかなと思う場面が見られた。試合後半は、ナダルの超速フットワークと正確なコントロールと、コートの外から返してくるすごいショットにじわじわとやられていった感じだ。

プエルタは以前、ドーピングで出場停止になったことがある。今回は開始早々にタイムアウトを取った。地元紙の記者席が、もっとも楽しげに盛り上がっていたのはこの時だったように思う。
スコアはナダル 6-7 6-3 6-1 7-5 プエルタ

準優勝プエルタを讃える


『SPORT』より
sfa1 sfa3

左のページの下半分
sfa2
数年前からパリのクレーコートを席巻する、ラテン勢の特集

さて、今年のWOWOWの放送を観る。
ナダル×マチュー(フランス)がすごく面白かったらしい。見逃して残念だ。おまけに休憩中、ナダルがバナナを喉につまらせたようなアピールがあったとか。作戦なのかそれとも…と意見が分かれたようだが、どちらにしてもある意味天才だ。

ナダル×ヒューイット(オーストラリア)は観ることができた。
いくらクレーコートとはいっても拾えなさそうな、難しい位置に飛んでくるボールに「うわー届いてる、しかも返したショットがハードヒットでウィナー」という驚き。試合中の表情は矢じりのようで、調子のいい時はどんどん鋭くなっていく。カメラごしだとメンタルの強さやコントロールのよさがはっきりわかる。
試合中はバモースと吠えガッツポーズも見せるが、ウギャアとぶち切れる方向にはいかない。この落ち着きは相変わらずだ。ボールは去年より強く速くなり、相手を前後に揺さぶるのはもちろん、ショットが多彩になったのでコートを立体的に使っている。

わずかなリズムのひっぱりあいや、身体がこう動いて、力がこう加わると回転がああなってバウンドがこうなって、結果あそこへあのようにボールが行くというスポーツの科学がとても詳しく解説されて、面白い放送だった。たとえば格闘技なら、真剣勝負だから膠着するのは仕方がないとか、テニスならそんなに模範演技みたいなショットはないという一線を超えた、演技ではないが演技のような驚くべき世界があるんだなあと思う。

ヒューイットは、怒りラッキョウみたいな顔になって叫ぶ「カモーン」がほとんど出なかったので、絶好調ではなかったのかもしれない。
アスリートに徳の高い人格を、都合で求めるマスコミに格好のヒールネタを提供した選手だが、写真を見ると、撮りやすい/さまになるポーズをゲーム中にとってくれるという点でもずいぶん貢献している気がする。

 

ヒューイットの画像転載元
GQ
Nettavisen

SWITCHonExcite 演劇の目で観たスポーツ 
フレンチオープンテニス1-4

テニスの記事/画像リンク集
スポンサーサイト
copyright (C) 大福帳 all rights reserved.
designed by polepole...

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。