大福帳
 

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2006年 04月 29日 (土) 23:53
28日 東劇
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断然、同時上映の日高川(人形振り)の方が面白く感じた。映像によってうまく消されるものと強調されるもの、双方の相乗効果で大変なことになっていた。

うまく消えるもの
 人の身体の生々しさ(冒頭から、わ、わ、なにこれ人なのに力がどこに入っているんだろう、という驚きと気味悪さでいっぱい)
 強引に動くつけ眉や蛇の部分お面など、多分劇場だと笑いに転ぶ歌舞伎の「ドリフ」感 (元はドリフが歌舞伎を参考にしたのだが)

強調されるもの
 映画館のサウンドシステムを通すと、音が一つ一つはっきり分けられそれぞれの輪郭がきわだって聴こえる。ということは。普段映画観るとき、いかにフィクショナルでドラマティックな音を聴いてるかということだ。

 2人の男女で踊られるどんなダンスとも違う、密・密・密でのしてくる人形遣いとの関係。客席からは部分的に見えないが、舞台横とか斜めからのカメラのおかげで、玉三郎の胴体と見えない力で繋がっている、人形遣い(菊之助)の動きが明らかに。

 渡しを泳ぎ始めてからの指の動きを観ていたら、玉三郎がスキューバをやっていたオフの映像を思い出した。水中での指サインが、はっきりと「行くわ」「うん、いいわよ」「ん、ちょっとね」という表情を持っていて、指一つの言葉の多さに驚いたものだ。

鷺娘

具体的な言葉の当て振りをやっている時と、三味線の曖昧な音階カーブにあわせて抽象表現になる時のチェンジが、玉三郎の場合、身体の内側からじんわりと色が変わるよう。映像の質・編集・カメラワークはいろいろな教材として申し分ない出来だ。
ただ映像とのコラボレーションということでは、シュミットの「黄昏」の鷺娘の方がへんてこで虚構に満ち、また玉三郎がいつもの理論的なスタイルとは違うリラックスした表情で出ている、という意味でも貴重だと思う。

松竹のメールから転載

◇同時上映「日高川入相花王」
人形浄瑠璃を歌舞伎舞踊化した「道成寺物」の作品で、人形振りでみせる趣向となっています。恋する安珍を追って日高川の渡し場にたどり着く清姫ですが、船頭は川を渡してくれません。安珍への嫉妬と恨みの激情を燃やす清姫はついに─。
出演:坂東玉三郎、尾上菊之助、坂東薪車/05年10月、歌舞伎座にて収録。上映時間30分。

◇「鷺娘」
しんしんと雪が降る水辺の岸に、柳の木が一本立っています。その柳の傍らに、蛇の目傘をさした娘が佇んでいます。白無垢、綿帽子姿のその娘は、実は白鷺の精でした。
出演:坂東玉三郎/05年5月、歌舞伎座にて収録。上映時間31分。
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